「シーアン モス ドロップ」 全二日、5ステージの公演が無事終了しました。
いやー、楽しかった。
作っていく過程ではもちろんつらいこともあったけれど、とにかく楽しかった。
それはひとつには劇場に来てくれたこどもたちのおかげでもあります。彼らは見事にひとりひとりで、勝手に笑い、勝手に泣き、勝手に面白がり、勝手に飽きます。それは実はとても自然なことで、それこそ観客としてあるべき態度なのだと思います。
面白くないのに面白いふりをしない。面白いのにつまらないふりをしない。
舞台の上にいる僕たちも、そのことに巻き込まれることなく、こちらはこちらで自分たちの劇を楽しむ。
そこでもし、一瞬でも見ている側とやっている側の意識がふっとひとつに集中して、なにかが立ちあがったらそれはとても幸せなことなのではないでしょうか。
こどもだから、こどもにもわかるわかりやすいものをやる。それってこどもを馬鹿にした態度です。そんなのはつまらない。
今回「シーアン モス ドロップ」が証明したことは初めて聞く言葉やわからない内容があったって、こどもは面白ければ集中するという、当たり前といえば当たり前のことだったと思います。
さて、きのう帰るとき、妙に荷物が軽いなぁと思ったらそれは人形たちがいないからなのでした。
人形はひとまず、作演出であり今回の劇の企画者である菅野さんのもとに預けられます。人形たちと過ごした2ヶ月間、そばにいるのが当たり前になっていた人形がいないのは変な感じです。正直さびしい。
でも、きっとすぐ近いうちに再演があります。今回で終わるような作品じゃないと、出演者みずから言ってしまいます。
今回、このブログを読んでくださっていたけれど予定が合わずに見に来られなかった方、あるいはまた、見に来てくださって、もう一度見たい!と思ってくださった方、再演に向けてひきつづき「シーアン モス ドロップ」を応援してください。
劇場で、あるいはどこかの幼稚園で、保育園で、小学校で、もういちど物語の糸をつむげる日が来ることを願っています。
その日まで、人形たちとはしばしのおわかれ。
再見!